ひきこもりピアサポート日記@ひき桜代表ブログ

2022年もよろしくお願いいたします(^o^)/ ひき桜関係のイベント紹介や思っていることをたまーに更新しています。

民放各社における暴力的支援団体の放映についての共同声明

【2018年7月16日に再度暴力的介入団体が好意的に報道されたことを受け、担当者に抗議しました。また2016年にあったことを風化させてはならないと考えたため、当時筆者ら呼びかけ人となって発表した「ひきこもり経験者+ひきこもり当事者団体による共同声明」を再掲いたします】

 

 

【以下2016年4月に当ブログに掲載した記事】

こんにちは。桜の季節が終わり、暑くなってきましたね。虫よけスプレーが必要になってきました。

 

さて先日テレビにあった「ひきこもり特集」はご覧になりましたでしょうか?

 

筆者は2つの点で嫌悪感がこみあげました。

一つ目はひきこもり本人への暴力的介入が行われていたこと。

二つ目は暴力的介入の様子を報道したこと

まるでひきこもり本人が「犯罪者予備軍」のような扱いになっていると感じました。

 

この暴力的介入・問題報道については様々な立場の人が声を上げて抗議・問題提起しました。

医師・ジャーナリスト・研究者・ひきこもり経験者らが記者会見に参加し、ひきこもり経験者・ひきこもり当事者団体による共同声明が発表されました。

 

しかし共同声明に関しては多くが否定的で、未だにひきこもりに関しては風当たりが強いと思います。

「ひきこもりは甘えているだけ」

「このような家庭であれば強制的に引き出すことも必要ではないか?」

本当にそうですか?

 

ひきこもり状態の人は一人ひとり状況は違いますし、求めていることも違います。

だとしても、ここまで声を上げる、ましてやひきこもり経験のある人・団体が共同声明を出すほどの異常事態だというのは明らかでしょう。

 

この件については多くの批判がありますが、その要因として

「家族のことを考えて!」という視点だけでなく、

共同声明で何が書かれていたか、実はあまり知らないのでは?」という疑問

が浮かびました。

 

そこで今回は共同声明文をこのブログでも掲載することで、実際にどのような内容だったのかを把握したいと思います。

 

筆者はこのような暴力的介入に強く抗議するとともに、このような内容を報道するメディア側も問題であることを述べておきます。

 

 

 ※以下は「民間各社における暴力的支援団体の放映についての共同声明」の本文です。

呼びかけ人2名、ひきこもり当事者団体4団体、ひきこもり経験者15名による共同声明です。

 

 

「民放各社における暴力的支援団体の放映についての共同声明」

                  

支援ではなく、暴力。放映によって傷つく当事者が。

 2016年3月21日(月・祝)23:15から放送された民放テレビ番組において、某ひきこもり支援団体がひきこもり当事者に対して恫喝する・壁を破壊して部屋へ強制侵入する・共同生活寮へ連行するなどが紹介されました。

 

 この放送の中で、団体がひきこもり当事者に対し「現実逃避するなよ」「できないからこんな状態になっているんだろ」「(やると言う返答に対し)できない だろっつうの!」「やーだのあーだのうーだの言ってる暇があったらよ、自分の自立一歩でもどうやって進むか考えろ今!」「降りてこい!」と強い口調で恫 喝・脅迫などの精神的暴力を行っており、代表者へのインタビューでは「息子が親殺しちゃったらどうするんですか」「(息子が)家に火つけて、隣の家まで巻 き込んだらどうしますか」といった明らかな偏見を語っていました。

 

また、出演者のトークでは「(親が死んでも働かないという現状に対し)タチ悪いですね」「(一度社会に出た人がまたひきこもりになることは)全く理解できない」といった発言がありました。

 

 私たちはひきこもりの経験がありますが、本放送で出た発言(「現実逃避するなよ」「自分の自立一歩でもどうやって進むか考えろ今」など)により自分の過去・現在を完全否定され、精神的に傷つけられたと感じています。

 また極度の偏見により(「親を殺したらどうしますか」など)、自分自身が「犯罪者予備軍」の一人であるような扱いを受けました。


 この放送では、壁を壊し恫喝するなどの人権侵害を平然と行っていながら、否定するコメントがほとんどなく、このことで自分が将来このような扱いを受ける恐れがあるという不安を煽られました。
番組を通して「ひきこもりは悪い存在である」「親のすねをかじっている厄介者」といったような印象を突き付けられ、自分が社会の中で生きていく存在意義を奪われたように感じました。

 

 このような差別的発言が番組内で行われたことにより、自分の社会的尊厳が奪われ、人権侵害を受けたと感じています。また番組によりひきこもりに関して負 のイメージを植え付けられ、自分の周囲との人間関係に悪影響を与える恐れがあり、今後の社会参加を妨げられないかと危惧しています。

 

このような暴力的な支援団体を肯定的に取り上げる報道は繰り返されており、そのたびに私たちは大きな精神的負担を感じています。不快感を覚え、非常に傷ついた人もいます。同じような複数の団体が、利用者死亡などにより有罪判決を受けている事実をきちんと調べられたうえで、どのような判断に基づいて放送されているのでしょうか。

 

 以上のことから報道倫理に則り、偏った不公正な内容を放送しないこと、精神的暴力を行わないこと、事前のリサーチを行うこと、ひきこもり当事者の声を取りあげること、有識者の見解を取りあげることを、放送各社に求めるものとします。

 

 2016年4月4日

 

 

…さて、この内容をどう受け止めましたでしょうか?

賛否両論はともかく、ひきこもり経験のある人たちが、それも計17名と4団体が声を上げています。それだけの大きな問題であることは改めて明らかになったでしょう。

 

この事実に対してどう向き合うのか、ぜひ考えていただきたいです。

 

さらに筆者の思いとしては、文面だけで判断するのではなく「人権が守られているのか」といったような人権意識の観点から考えていただきたいです。

 

他にも書きたいことがありますが、今回はここまでにしたいと思います。

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