内閣府のひきこもり調査をどう見るか?
こんにちは。2016年9月7日(水)に内閣府の「若者の生活に関する調査報告書」の速報が出て、数日後には内閣府HPにて報告書全文がアップされました。ここでひきこもり状態にある人の推計が54.1万人となっており、各方面で異論が出ていました。
しばらく期間が空いてしまいましたが、調査報告書から見えてきたものを書いてみたいと思います。
まずこの調査は「子ども・若者育成支援推進法」に基づいた調査となっております。
「40歳以上が含まれていないぞ」と各方面から異論が出ていますが、この法律自体が39歳までを対象をしています。
なので今回の調査は「法律の型通りに行われた」と言えます。
本当は40歳以上のひきこもり状態の方は多いはずですが、法律外の対象者は最初から含めないのか、と思いました。
次に「ひきこもりの定義」を見てみると、やはり今回も「専業主婦・主夫」や「家事・育児をしている者」は定義から除外されています。
ただ最近女子会が非常に注目されているように、実際は「ひきこもり状態or家族以外との関係がほとんどない」方も多くいます。
そのため、今回もその方々が含まれていないことに対し違和感があります。
次に「本人調査票」を見てみると、今回の調査票には自由記述の質問があります。
「相談機関に相談した結果」「(過去にひきこもり状態だった方の場合)ひきこもり状態でなくなったきっかけ・役にたったこと」について尋ねているようです。
自由記述の結果を見てみると、関係機関に相談した結果「良かった」と回答している人は該当者18名中12名、「どちらともいえない…3名」「良くなかった…3名」。
筆者は特に相談しないで徐々に居場所に行った人ですが、今回のように「実際に相談機関に行った人の声」が載っているので、これは見ておいた方がいいですね(報告書58ページ)。
さらに「ひきこもり状態でなくなったきっかけ・役に立ったこと」の中には「フリースクール」「家族や周りの友達」「意図的に考えや見方を変えた」というのが筆者の中で印象に残りました。こちらもぜひご覧ください(報告書62~63ページ)。
次に家族にも調査をしたそうですが、最後にこのような質問がありました。
「現在内閣府では、身体の病気以外の理由でふだん外出ができない方たちへの支援のあり方を検討しています。 こうした支援のあり方について、ご意見があれば、自由にお書きください」
うーん、内閣府がやるんかい。あと40歳以上の方を含めていないですよね…。
それでこの質問の結果を見ようとしましたが、家族調査票の結果が載っていない!?
おーい、肝心なところが報告されてないよー(泣)
その他も書きたいことがありましたが、字数を軽くオーバーしてしまいました。
今後じっくり結果を見て、また時間があれば書きたいと思います。
調査報告書全文は以下内閣府HPの該当ページから見ることができます。ぜひそちらをご参照ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!