第5回ひきこもりピアサポートゼミナールの感想
こんばんは。先日第5回ひきこもりピアサポートゼミナールが横浜で行われました。
主催者を含め16名が参加されました。
今年度は16回シリーズでピアサポゼミを開催しています。
本来、感想はひき桜公式ブログに書くべきかと思ったのですが、本ブログ「ひきこもりピアサポート日記」の方がおかげさまで閲覧回数が多く、様々な方に情報が届くと思ったため、今回はこちらで感想を書きます。
★ひきこもりピアサポートゼミナールの流れ
①まずピアサポートに関するテキストを一通り皆さんで読みます。
②その後こちらから解説を入れますが、あくまで最小限。解説中心だと一方的な講義形式になってしまうので。
③解説終了後、少人数(4~5名)で演習を行います。ピアサポゼミは少人数の演習がメインとなる学習会です。
④最後に他のグループの内容も共有します。
この①~④を2セッション行います。
★ピアサポゼミと他の学習会との違い
ピアサポゼミは「当事者・経験者のみで学びあう」「少人数演習形式(講義形式を採らない)」「ピアサポートの基本的な理論体系を学ぶ」といったことが主要な特徴でしょう。
多くの学習会では講義形式が採用されていますが、自分たちはそういった「一方通行の関係」は極力避けるようにしています。つまり「上下関係」にならないよう気をつけています。
ピアサポートって対等性と相互性を重視しているので、学習会の場もそうなるように工夫しています。
★なぜピアサポートについて学ぶか?
ピアサポートとは「当事者同士の支え合い」のことです。ひきこもり経験のある人がピアサポートを通じて地域で活躍する、そういった関係ができたら良いのでは、というのが大きな目標です。それを当事者・経験者が主動で行う取り組みは全国的にも珍しい取り組みです。
ピアサポゼミに参加している人の目的は多様で、ピアサポーターになってみたい人・ピアサポートに関心のある人・学習会に参加したい人・気になるのでとりあえず参加してみた人など様々です。
筆者の印象でいうと、ピアサポートを学ぶことで自分の振り返りができたり、自分の日常に役立つ考え方を身につけられるといったことが大きいでしょうか。
★第5回の感想
本題に入りますが、第5回は「環境」という、ピアサポート学習会の中では異色といえる単元を学びました。
つまり「環境によってピアサポートにどう影響するか」を学ぶ回でした。
前半は「物理的環境」として、実は「居場所の机の配置」「座り方」「場所のシチュエーション」によって話しやすさが随分変わる、といったことを学びました。
後半は「感情的環境」ということで「場の雰囲気」がもたらす影響について学びました。雰囲気によっては話していいものか…と感じてしまうところもあったりします。
★第6回の予告
第6回ひきこもりピアサポートゼミナールは2017年8月12日(土)12:30~16:30に開催します。桜木町駅近辺ですが、参加者にのみ場所をご連絡します。
単元はピアサポート①ということで、ピアサポートに関する心得・考え方が具体的に書かれている、かなり肝となる単元です。「ピアサポートの要素」「お節介と燃え尽き」「セルフケア」といった重要なキーワードも登場します。結構重要なところなのでふるってご参加ください。
日時:2017年8月12日(土)12:30~16:30
場所:参加者に連絡
参加対象:ひきこもり状態にある人orあった人
参加費:500円(飲料・菓子は多少用意しています)
申し込み開始:8月5日(土)
申し込み方法:①~④を記載のうえ、メールで申し込みしてください。
①名前(本名)
②ふりがな
③ひきこもり経験(ありorなし)
④注意事項への同意(はいorいいえ)
申し込み先:hikizakura.yokohama@gmail.com(担当:割田)
皆様のご参加お待ちしております。
最後までご覧いただきありがとうございました!
ひきこもり新聞7月号を読む
こんにちは。最近は各地で真夏日となっていますね。これからの時期も考えると暑さでげんなりしています。
今回は2017年7月に発刊された「ひきこもり新聞7月号」を読んでみた感想を書きたいと思います。
ひきこもり新聞とは、2016年11月に創刊したひきこもり当事者発のメディア媒体です。
今までに精神科医へのインタビュー、女性のひきこもり、高齢のひきこもり、働くことなどのテーマを取り上げたほか、当事者手記やイベント開催情報が充実しているのが特徴です。
2017年7月号は「新しい支援の可能性」ということで、早速読んでみました。
【かっこ】部分は引用です。
1面:当事者経験があるから出来ること(恩田夏絵氏)
恩田氏はひきこもりUX会議の代表理事で、現在「ひきこもりUX女子会」を表参道などで開催している方です。
生きづらさを抱えた人を対象とした女子会は昨年度第1回が開催され、一時期は80名を超える方が参加されたとか。
それだけ生きづらさを抱えている女性が多いというのが分かります。
1面のインタビュー記事では【今まで誰にも言えなかった事をぶちまけることで本人の中で変化があるようで】と参加者の様子を伝えたり【それぞれの地域で女子会が開催されればいいなと思っています】などの思いも紹介されています。恩田氏の過去にも触れられているほか【支援する側、される側に分かれちゃうのが、私自身も、すごく嫌でした】と今までのイメージのあり方にも言及しています。
2面:オープンダイアローグ体験記(木村ナオヒロ氏)
斎藤環氏が積極的に行っている「オープンダイアローグ」について、実際に体験してきた記事です。
【「説得」や「議論」でうまくいかなかったことが、なぜ「対話」であるオープンダイアローグでは成功したのか】について紹介されています。
筆者も実際に体験してみたいですね。
3面:私たちが望む「必要な支援」
ひきこもり当事者による生の声が多数掲載されています。「望む支援」だけでなく【こんな支援はいやだった】という声もきちんと紹介しているところが、ひきこもり新聞のすごいところですね。
筆者の感覚では「情報が圧倒的に足りない」「情報を見つけにくい」というのが多いと思っていましたが、意外にもそうではないみたいですね。
40名弱の声が載っています!読み応えがありますね。
4面:当事者同士の可能性―ひきこもりピアサポートゼミナールに参加して―(Toshi氏)
ピアサポゼミは筆者も随分関わっているので、ここで紹介するとバイアスがかかりそう…(笑)
初めて学習会の場に参加したToshiさんが、継続して参加するにつれて自身の変化や学びで得たことを紹介しています。
ピアサポゼミの特徴は
「テキストの音読」…順番にテキストを読みます。
「最低限の解説」…全く解説しないとさすがに分からないので…。でも解説メインだと講義形式になって、主催者・受講者といった上下関係になる恐れがあるので、1~2か所しか解説しません。分からないところは演習で補うスタイルです。
「演習」…【ファシリテーターが議論を主導する形ではありません】とあるように、ファシリと参加者で上下関係ができないようにする意味合いが込められています。
【自分一人ではなかった】とあるように、参加した人それぞれが似た経験をしているのは事実です。
【ピアサポートには相手を助けるとき、自分自身も助けられるという原則があります】。これは「ヘルパーセラピー原則」と呼ばれています。
【ひきこもりの経験を「負の歴史」にするのではなく、無理に「変わる」必要もない】。これは重要な指摘ですね。
5面:ディストピアとしての自立ひきこもり「支援」団体
これは以前ピアサポート日記でも紹介した「悪徳ビジネス団体に関する記者会見」の記事ですね。高額な料金を親に請求をして、実際は支援らしいことは殆ど行われない。被害者を中心に抗議した内容が掲載されています。
6面:当事者による「居場所レポート」
そういえば「ひきこもり当事者会」って当事者・経験者しか参加できないので、ベールに包まれている感じがありますよね。そこで実際に参加した方がレビューしています。今回は「ひきこもりフューチャーセッション庵~IORI~」と「ひきこもり当事者グループ「ひき桜」in横浜」です。
7面:この人に注目!(大橋史信氏)
この方は相当アクティブですよ。パワーがみなぎっています。
家族会にもよく参加していて、家族の悩み相談にも乗っているそうです。
記事では【80・50問題】や【新しい資格】についても言及しています。親子は【お互いの価値観が全く違うんだと気づく所から始まると思います】と述べたうえで、親子で【一緒にできることを整理していく】作業に大橋氏は取り組んでいるそうです。
8面:各地のイベント情報
北海道から福岡まで、紙面の都合でそんなに多くはないですがイベント情報が掲載されています。個人的には「オンリーワンクルー」に行ってみたいです。
ひきこもり新聞は郵送のほか、PDF版もあります。詳細はひきこもり新聞サイトをご覧下さい。
web版の記事もあります。紙面に載せられなかった記事もアップされていますよ!
またしても記事の中身にあまり入らず、筆者の感想が中心となってしまいました。
気になる方は買ってみてくださいね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!